色彩を持たない、日本人男性のブログ

日本について、日々考える。

瀬戸内寂聴さんの発言

 この発言は、大変残念です。瀬戸内寂聴さんのお言葉で助けられた人や励まされた人は、たくさんおられ私も大変立派な方だと思います。しかし、今回のこの発言は問題があるのではないでしょうか。

 日本弁護士連合会が2016年10月6日に福井市内で開いた死刑廃止に関するシンポジウムに瀬戸内さんがビデオメッセージを寄せられました。その中で死刑制度の撤廃を主張されています。私は、死刑制度について賛成です。被害者やそのご家族、縁者の方々のことを考えると、当然負うべきことだと考えます。しかし、瀬戸内寂聴さんがどのように考えるかということは、自由ですのでそれについてとやかく言いません。このビデオメッセージの中で「人間が人間を殺すことは一番野蛮なこと。『殺さない』ってことを大きな声で唱えてください」と訴えております。私も人が人を裁くことができるのかということは、考えることがあります。人間が人間を殺すということについても野蛮なことだというのは、一定の理解をします。

 しかし、「殺したがるばかどもと戦ってください」という発言は、見過ごすことが出来ません。死刑の判決を受けた人は、何も罪のない人というわけではありません。その人の犯行により、何の罪もない方が、命を奪われています。まだ将来がある方が、ある日突然、その人の人生を奪われるのです。それに対して、死刑がなくなれば亡くなられた方、ご遺族の方は気持ちの整理がつかないのではないでしょうか。もちろん、全ての人が加害者の死刑を望まれているというわけではないと思いますが。また、人を殺しても、自分の命は安泰で、自由を奪われることはあるが、生きていくことが出来るとなれば犯罪の抑止にもならないのではないでしょうか。

 死刑を賛成している人は、殺したがっている方ではないのです。被害者です。その犯行が行われるまで普通の生活をしてこられた方が大半です。このような発言は、被害者・ご遺族のことを考えると許せません。この発言については、是非とも撤回をして頂きたいと思います。