色彩を持たない、日本人男性のブログ

日本について、日々考える。

沖縄だけではなかった、日本領南樺太(カラフト)本土決戦

 沖縄は、唯一の本土決戦が行われた場所だなどと言われることがあります。沖縄の問題は、メディアでも多くの報道がなされており、国会でもしばしば議論されることがあります。関連する書籍も多数存在しますので、ご存知の方も多いと思います。

 しかし、本土決戦が行われたのは、沖縄だけではありません。日本の領土である南樺太でも行われました。北海道最北端の町である稚内から海を隔てて、わずか43kmのところに樺太という島があります。この島は、ロシア領で日本も現在は、領土という認識がありませんので、この島に関して領土問題は存在しません。ロシアでは、この樺太をサハリンと呼ばれています。

 この島には、終戦まで北と南に分かれて統治されていました。南は日本、北はロシアです。当然、日本人も住んでおり、王子製紙の工場もありました。日本人は、40万人が生活をしておりました。40万人というと品川区や宮崎市富山市、町田市とおおよそ同じくライン人口です。当然そこには、老若男女が暮らし、学校も存在しました。他の都市と比較して、何ら変わることのない生活がそこで行われていました。

 ここでも沖縄と同様に日本人がソ連と戦いました。戦ったのは、軍人だけではありません。民間人も戦いました。ソ連は、終戦間際に弱った日本へ宣戦布告を行いました。昭和20年8月のことです。玉音放送が8月15日です。その約1週間前の宣戦布告です。南樺太だけでなく、千島列島や北方領土を現在も実効支配しています。もちろん北方領土は、日本の固有の領土です。

 軍は、民間人を逃がすために戦いました。ソ連は、何の罪もない民間人を殺し、女性は強姦を行うということを日本の領土で行いました。私たちは、このような出来事を決して忘れてはなりません。

 私は、この南樺太での出来事をほとんどしりませんでした。そんな私が南樺太のことを知るきっかけになったのが、藤村建雄さんのご著書です。是非、多くの方々に昭和20年8月に南樺太で何があったか、日本人がどのように戦ったのかを知って頂くためにも読んで頂きたい一冊です。

『知られざる本土決戦 南樺太終戦史 日本領南樺太十七日間の戦争 』潮書房光人社

藤村建雄著