色彩を持たない、日本人男性のブログ

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『アキラとあきら』 池井戸 潤著 徳間文庫

 体調を崩しました。これほど寝込むのは、2年ぶりです。この2年間、少し体調が悪くなったかなと思っても寝込むまでには行かなかったのですが、今回は、本当にキツイ。2日間寝込んで、少し良くなってきました。3連休は、助かりました。息子を遊びに連れて行ってあげられないので、申し訳ない気持ちでいっぱいです。早く元気になって、一緒に遊べるようにしたいと思います。

 

 この寝込んでいる時に、池井戸潤さんの作品を読みました。体調が悪くても、ぐんぐん引き込まれてあっという間に読み終わりました。池井戸潤さんの作品は、全て読みましたが、今回の『アキラとあきら』も読者の期待を裏切ることなく、大変面白い作品になっています。

 文庫本で705ページありますので、あまり本を読まれない方は、ページ数が多いなと思われるかもしれません。しかし、このページ数でもこの作品であれば、苦も無くすぐに読み終わってしまうと思います。それほど面白い作品なのです。

 『アキラとあきら』は、漢字で書くと『瑛と彬』と書きますが、私はこれまでこの字で「あきら」と読む名前の方にお会いしたことがありません。「瑛」は、よく見かけます。有名人でも瑛太さんや奥田瑛二さんもこの字ですが、たいていの方は瑛を「えい」と読まれると思います。「彬」は、私がすぐに思い浮かぶ方といえば、島津斉彬です。幕末薩摩藩の第11代藩主です。西郷隆盛など幕末で活躍した人達を育てたことでも有名です。

 この作品は、2人の「あきら」が生まれ育った環境が全く異なりますが、出会い試練に立ち向かうというものです。池井戸さんの作品は、銀行がどのようなところかがよくわかります。銀行というところでは、絶対に働きたくないな、働けないなと思うことが多いのですが、企業を育てることが出来るのも銀行です。そういった意味では、社会的責任も大きいと思います。

 銀行がどんなところかということを知りたい人には、一端が垣間見れる作品になっています。